CBC

“良いオフィス”がもたらす効果は、
経営課題の解決につながる

  • コミュニケーション活性化
  • モチベーション向上
  • ガバナンス強化
  • スペース有効活用
  • 人材採用
  • ブランディング

株式会社CBCビップス

  • 面積

    280.63㎡

  • 社員数

    職員:24名

Point

  • 社員のモチベーションUP。
  • 社内外の人との交流を活発にする。
  • ガバナンスをオフィスから浸透させていく。

オフィスの課題と解決

Before

  • 「The 昭和の職場」だった以前のオフィス。採用活動の時も、
  • 積極的に入社志願者たちの目に触れさせたい気持ちにはなれなかった。

After

  • 採用に向けたアピールに一役買える、
  • アロマの香りと心地よい音楽が流れる明るい空間に。

アロマの香りと心地よい音楽が出迎えてくれるオフィスに足を踏み入れると、清潔感のある広く明るい空間が広がっていた。入口から一望できるオープンなオフィス空間は、アクセントカラーになっている椅子と、随所にさりげなく配置されている植物たちの明るいグリーンがみずみずしく印象的だ。人材募集の際、今のオフィスは積極的に写真を掲載しており、会社説明会などの機会でもオフィスを見てもらうなど、採用に向けたアピールに一役買っている。オフィスづくりも事業として手掛ける同社にとって、ショールームの意味合いも持たせられる上に、社員にとっても、働きやすい自慢のオフィスとなった。

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Before

  • CBCのグループ会社であるCBCビップス。
  • グループ所有のビルということからテナント料に対するコスト意識なども希薄だった。

After

  • プライベートとパブリックの概念を明確にすることで、
  • セキュリティも向上した。

プライベートとパブリックの意識を、所有物にも空間にも徹底して持てるように工夫した。例えば、クリアファイルやクリップなどの文具。個人では所有せず、コピー機と作業机の近くに集約することで、デスクの上もスッキリするうえ、作業効率もアップした。
また、個人の持ち物はノートPCも含め、各自のロッカーに保存できる分だけにしている。毎朝取り出して使用し、帰りにロッカーへ戻して会社を出るようにした。スペースの無駄を省く意識につながり、また、セキュリティの管理にも役立っている。

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Before

  • 多くの部門に分かれる社内組織。
  • 他の部署が何をしているのか、社員間で共通認識が持ちにくかった。

After

  • フリーアドレスを採用し、打ち合わせスペースにも工夫を凝らした。
  • 社員間の自発的な情報交換が活発になった。

執務スペースの席は、社員が毎日任意で場所を選べるフリーアドレスを採用した。社員自ら、意識的に他の部門のメンバーと近い席に混ざっていくようになり、社内のコミュニケーションが活発化している。仕事中の打合せのために配置された2卓のテーブルも、短い打ち合わせなら立ったままで使え、少し話が長引いたら椅子を持ってきて座れるように、電動で高さが調節できるものを取り入れており、社員間の気軽な情報交換を活発にしている。

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オフィスはこう変わった

  • 「グループ会社にこう使ってほしい」と温めていたアイデアを具現化

    テレビ・ラジオなどの放送事業を根幹とするメディアグループであるCBCグループにあって商社的な側面を担う株式会社CBCビップス。オフィス構築全般の受託を行うと同時に、CBCグループ諸施設の管理や、広告代理業、物販や保険に至るまで、業務内容は多岐にわたる。

    同社は2017年10月から新しいオフィスに移転した。プランを検討し始めたのは、さらに1年ほど前にさかのぼる。
    水野社長はCBCビップスの社長就任前、中部日本放送(CBC)の管理部門の責任者を務めており、グループ各社の移転計画やオフィスビルの建築にも携わっていたため、今のオフィスが入るビルがどんなものかあらかじめ熟知していた。
    CBCビップス社長に就任しオフィスの移転計画に取り組む際に抱いたのは、ビルの計画を立てていたときに「このビルに入るグループ会社にこう使ってほしいな」と考えていたアイデアを具現化できたら……という思いだった。

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    ビルの建設計画にも携わっていた水野社長
  • フレキシブルに使える空間づくり、そしてガバナンスの自然な浸透を狙う。

    ビルをつくったときのコンセプトは、「フレキシブルな空間」。今はCBCグループで使うビルだが、何十年か後にはグループ外の企業に貸す可能性だってあるかもしれない。放送局のオフィスはその業務内容ゆえカスタマイズされたスペースになっている場合が多いが、このオフィスビルはなるべく特殊性をなくし、意図的に汎用性の高い空間にしている。

    一方で、放送局の時の経験を活かした部分もある。ひと昔前では構造上なかなか実現できなかった「柱や壁があまりない」「視界を遮るものがない」空間の貴重性についてはCBCテレビ在籍時の“報道”での経験から身に染みて感じていた。
    何か大きなトピックや事件があったとき、みんなでワッと集まって話せる。そして肉声が届きそれぞれがどんなことをしているか分かりやすい、名実ともに「風通しの良い空間」が報道の現場では重要視される。この考え方は何も報道に限った話ではなく、例えば社員の増員やスペースの使い方を変えるときに、フレキシブルに使い方を変えていける自由度の高い空間としても有効活用できると考えた。

    また、水野社長の危機意識として、コスト意識の希薄さという点があった。ビルをはじめとして、グループの資産を借りられるという安心感が、ともすれば気持ちの緩みにつながってしまう。そこで、意識的に収納スペースを以前のオフィスに比べて大幅に削減し、必要なものの優先順位づけと、プライベート/パブリックの区別の徹底を進めることで、物もスペースも効率的に使い、不要なものは貯めこまない環境を実現した。資源と業務の効率化を追求したのだ。

    オフィスのあり方から会社のガバナンスを発信し、自然にそして自発的に社員の意識改革を促すサイクルへとつながっている。

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    どの角度からも、オフィスを一望できるフレキシブルな空間
  • 社員による「移転プロジェクト」でモチベーションが向上。

    こうした水野社長の考えを背景に、オフィス移転プランは社員メンバーによる「移転プロジェクト」として進められた。ガバナンスの浸透を図る一方で、社員がどう考え、どう感じるかということも大切にしたいという考えからだ。社員のモチベーション向上を図り、自慢できるオフィスづくりを目指す新しい取り組みなのに、社員たちの理解が浸透しないために逆効果になってはいけない。さまざまな意見を持つ社員たちへのヒアリングが必要だった。

    チーフを中心にしたプロジェクトチームは、積極的に社内の意見の吸い上げを行い、オフィスのプランに反映していった。プロジェクトを進める中で、話題は“会社のブランディング”にも及んだ。

    今のオフィスで大きく掲げられているCBCビップスのキャッチコピー「スカッシュ系商社」(シュッ!と素早いフットワークで、胸がスカッ!とするようなサービスを創造する総合商社、という意味を込めて作られた)というワードは、「会社について一言で表せるワードを」という思いで社員から出てきたもの。“自分たちでつくったオフィス”という意識を共有することができ、社員にポジティブな空気が浸透していくきっかけになった。

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    会社のキャッチコピーがあしらわれた社長室のパーテーションも透明なものを採用
  • 社内外のコミュニケーションが活発に

    業務内容が多岐にわたるCBCビップスは、7つの事業部門が存在する。業務が多忙な毎日の中で、同じ会社内でありながら他の事業部が何をしているのか、以前のオフィスではよくわからない状況になっていた。会社一丸となって目的や課題に向かう時、それはハードルになりかねない。

    新オフィスでのフリーアドレス採用は、最初に予想していたものよりも大きな効果を上げた。社員たちは進んで他の部門のメンバーと近い席に座り、自発的な情報共有が盛んに行われるようになっていった。豊富な打ち合わせスペースも、気軽な短時間のものから、外部の来客も招いての大人数のミーティングにまでフレキシブルに対応できる。

    フロア内の打ち合わせスペースには、ちょっとした立ち話もできるし座ってじっくり話すことも可能な、高さが自由に変えられるテーブルを採用。取材の際にも、それぞれ違う部門のメンバーが集まり、パソコンを囲んで意見交換をするシーンを垣間見ることができた。

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    バリエーション豊かなミーティングスペース。この会議室も小さく仕切って使うこともできる。
  • ガバナンスを強化したいならオフィスを変えろ!

    「オフィスは経営課題を解決する大きなツール」と水野社長は言い切る。スペースも社員同士の関係も、風通し良く透明化することで、お互いの意見がまっすぐに伝わりやすくなり、さまざまな問題がクリアになって解決に近づく。
    オフィスが変わってから、社員も背筋が伸び、前向きな雰囲気ができてきたという。「ルール決めをするよりも、“いいオフィス”にすることで解決することはたくさんありますよ」という言葉に、オフィス改善成功の手ごたえが現れていた。

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